
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
いつもありがとうございます。堺市北区中百舌鳥で中林整骨院・なかもず院をしている中林佑樹です。赤ちゃんが生まれると必ず必要になるのが抱っこ紐やスリングですよね。出産準備品リストを見ながら「どっちを買えばいいんだろう」と悩んでいる妊婦さんや、実際に使い始めてから「本当にこれで良かったのかな」と不安に感じている新米ママさんから、よくご相談をいただきます。


両肩で支える抱っこ紐と片肩で抱くスリング、それぞれにメリットとデメリットがあって、どちらが優れているというわけではありません。大切なのは、あなたの生活スタイルや赤ちゃんの状態に合わせて選ぶことです。当院には産前産後のケアで通われる方が多いのですが、抱っこの仕方が赤ちゃんの体の発達にも影響することがあるため、この選択は意外と重要なんです。


赤ちゃんの体の発達を見てきた治療家の視点から、抱っこ紐とスリングの違いをお伝えします
まず基本的なところからお話しすると、抱っこ紐は両肩と腰で赤ちゃんの体重を支えるタイプで、エルゴやベビービョルンなどが代表的なブランドです。肩ベルトと腰ベルトでしっかり固定するため、長時間の抱っこでも比較的疲れにくい構造になっています。一方スリングは、幅広い布を片肩から斜めがけにして、その布で赤ちゃんを包み込むように抱くタイプで、新生児期から使えるものが多いのが特徴です。
装着の複雑さという点では、抱っこ紐は慣れるまで少し時間がかかります。バックルやベルトの調整が必要で、最初は鏡を見ながらでないと難しいと感じる方も多いでしょう。スリングは一見シンプルに見えますが、実は布の調整にコツが必要で、赤ちゃんの位置や布の張り具合を適切に保たないと安全性が損なわれることがあります。
価格帯で見ると、抱っこ紐は10,000円から30,000円程度のものが主流で、機能性が高いほど値段も上がります。スリングは5,000円から15,000円程度で、比較的手頃な価格で購入できるものが多いです。ただし、安いから良い、高いから良いというわけではなく、自分の体型や使用目的に合ったものを選ぶことが何より大切です。
治療家の立場から特に気になるのが、ママやパパの体への負担です。抱っこ紐は両肩と腰で重さを分散するため、長時間の使用では確かに負担が少ないように思えます。ただし、腰ベルトの位置が適切でないと腰痛の原因になりますし、肩ベルトがきつすぎると肩こりを引き起こします。
スリングは片肩だけで支えるため、どうしても肩への負担が大きくなります。左右交互に使うことが推奨されていますが、実際には利き手側ばかりで抱いてしまう方が多く、片側の肩や首に慢性的な負担がかかって痛みを訴える方を当院でもよく診ています。ただし、短時間の使用や新生児期の軽い体重であれば、スリングの方がママの体に馴染みやすいという面もあります。
ここからは、私が特に大切だと考えている3つの視点についてお話しします。赤ちゃん整体を数多く行ってきた経験から、抱っこの仕方が赤ちゃんの体の発達に与える影響は決して小さくないと感じているからです。
1つ目の視点は、赤ちゃんの姿勢と筋緊張の問題です。抱っこ紐の多くは縦抱きが基本で、赤ちゃんの股関節が自然に開いたM字型の姿勢を保つことができます。ただし、抱っこ紐は構造上どうしても赤ちゃんの位置が固定されやすく、調整が難しいという課題があります。当院に来られる赤ちゃんを診ていると、抱っこ紐を長時間使っているケースでは背中が緊張して反り返りやすくなっていることが多いんです。
スリングは布で包み込む形なので、赤ちゃんの背中が自然に丸くなります。これは胎内にいた時の姿勢に近く、背中の緊張を緩めやすい形になっているため、赤ちゃんがリラックスしやすいという利点があります。新生児期は特に背中の緊張が強い子が多いので、その点ではスリングの方が体に優しいと感じています。
2つ目の視点は、向き癖との関係です。これは非常に重要なポイントで、当院には頭の形や向き癖で悩んでいる保護者の方が多く来られます。実は、抱っこ紐は手軽で便利な反面、赤ちゃんの位置調整が難しく向き癖を助長させやすい形になっているんです。
抱っこ紐の中で赤ちゃんがいつも同じ向きに首を傾けてしまうことがあり、それが習慣化すると向き癖が強くなります。ベルトやバックルの関係で赤ちゃんの体が少し斜めになりやすく、その結果として片側ばかりを向いてしまうケースを何度も見てきました。スリングの場合は布の調整で赤ちゃんの位置を細かく変えられるため、向き癖が出にくいという利点があります。
3つ目の視点は、首や背骨への影響です。新生児期は首がすわっていないため、頭をしっかり支える必要があります。抱っこ紐の中には新生児用のインサートが必要なものもあり、それを使わないと首に負担がかかります。スリングは布で全体を包み込むため新生児期から使いやすく、赤ちゃんの体を自然な形で支えることができます。
新生児期から生後3ヶ月頃までは、赤ちゃんとの密着感が得られてすぐに抱き下ろしができるスリングが特におすすめです。この時期は授乳回数も多く、授乳後のちょっとした抱っこや寝かしつけにスリングは本当に重宝します。赤ちゃんの背中の緊張を緩めやすいという点でも、新生児期にはスリングの方が体に優しいと考えています。
生後4ヶ月を過ぎて首がしっかりすわり、体重も増えてくると、長時間の外出には抱っこ紐の方が便利な場面も出てきます。ただし、その場合でも赤ちゃんの位置や向きには十分注意していただきたいですし、可能であれば短時間ごとに抱き方を変えることをおすすめします。
車移動が中心の方は、乗り降りの際にさっと抱っこできるスリングが断然便利です。チャイルドシートから抱き上げて、そのままスリングに入れてお店に入るという使い方ができます。抱っこ紐だと装着に時間がかかるため、短い距離の移動では面倒に感じることが多いでしょう。
徒歩や電車での長時間移動が多い方は、体への負担を考えると抱っこ紐も選択肢に入ります。ただし、その場合でも定期的に赤ちゃんの位置を確認して、向き癖が出ないように注意してください。理想は30分に一度くらい、赤ちゃんを抱っこ紐から出して姿勢を変えてあげることです。
家事をしながら赤ちゃんを抱っこすることが多い方には、装着が簡単で密着感のあるスリングを強くおすすめします。洗濯物を干したり、簡単な料理をしたりする程度なら、スリングで十分対応できますし、赤ちゃんの体への負担も少なくて済みます。
当院で赤ちゃん整体を行っていると、抱っこ紐を長時間使っているお子さんの方が、体の緊張が強く出ているケースが多いことに気づきます。特に背中から首にかけての筋肉が硬くなっていて、それが向き癖や反り返りにつながっています。
一方、スリングを上手に使っているご家庭のお子さんは、比較的体がリラックスしていることが多いです。もちろん、スリングでも使い方を間違えれば問題は起きますが、正しく使えば赤ちゃんの体に優しい抱き方ができます。
これまでの施術経験と検査結果を総合すると、当院としてはどちらかというとスリングをおすすめしています。理由は先ほどもお伝えした通り、抱っこ紐は手軽で便利な反面、赤ちゃんの位置調整が難しく向き癖を助長させやすい構造になっているからです。
さらに、スリングの方が赤ちゃんの反り返りが少なく、背中の緊張を緩める形となっています。新生児期から生後6ヶ月頃までは特に、赤ちゃんの体の柔軟性を保つためにもスリングの使用をおすすめしたいと思います。
ただし、これはあくまで「正しく使えば」という前提がつきます。スリングは布の張り具合や赤ちゃんの位置が適切でないと、かえって危険な場合もあります。必ず使い方を学んでから使用してください。
もし抱っこ紐を選ぶ場合は、以下の点に注意してください。まず、赤ちゃんの位置が左右どちらかに偏っていないか、こまめに確認することです。鏡を見て、赤ちゃんの頭が真っ直ぐ前を向いているか、体が斜めになっていないかをチェックしましょう。
次に、長時間連続で使わないことです。1時間に一度は抱っこ紐から出して、赤ちゃんの体を伸ばしてあげてください。そして、抱っこ紐を使わない時間にはスリングや素手での抱っこも取り入れて、同じ姿勢が続かないように工夫することが大切です。
どちらを選ぶにしても、安全性は最優先です。抱っこ紐は必ず製品の取扱説明書をよく読んで、月齢や体重の制限を守ってください。特にバックルの留め忘れは重大な事故につながるため、装着後は必ず確認する習慣をつけましょう。
スリングは布の張り具合と赤ちゃんの位置が適切かどうかを常にチェックする必要があります。赤ちゃんの顔が布で覆われていないか、呼吸が苦しそうではないか、あごが胸につくほど丸まっていないかなど、細かい点に注意を払ってください。最初は必ず鏡の前で練習して、正しい位置を体で覚えることをおすすめします。
抱っこ紐やスリングを使っていて、もし赤ちゃんに向き癖が出てきたり、頭の形が気になってきたりした場合は、できるだけ早めにご相談ください。月齢が若いほど改善しやすいですし、適切な対処をすることで将来的な問題を防ぐことができます。
当院では、赤ちゃんの体の状態を詳しく検査して、向き癖や頭の歪みの原因を特定します。そして、抱っこの仕方のアドバイスや、必要に応じて赤ちゃんの体を整える施術も行っています。抱っこ紐やスリングの使い方についても具体的にお伝えできますので、どうぞお気軽にご相談ください。
育児グッズの選び方一つで、赤ちゃんの体の発達や向き癖のリスクが変わってくることを、多くの保護者の方に知っていただきたいと思っています。スリングは少しコツが必要かもしれませんが、一度使い方をマスターすれば赤ちゃんにもママにも優しい抱き方ができます。一人で悩まず、分からないことがあればいつでもご相談くださいね。

