
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
堺市北区中百舌鳥で治療院を開いている中林です。実は私自身、予定より1ヶ月早く生まれました。2,800グラムだったので低出生体重児の基準(2,500グラム未満)には該当しませんでしたが、母からは「小さくて心配だった」とよく聞かされていました。そして幼少期は病弱で、幼稚園時代は月の半分が体調不良という状態でした。
だからこそ、小さく生まれた赤ちゃんを持つお母さんの不安が、少しだけ分かる気がします。「ちゃんと成長してくれるだろうか」「発達は追いつくのだろうか」そんな心配を抱えながら、毎日必死に育児をされているのではないでしょうか。


当院にも、低出生体重で生まれたお子さんが来院されることがあります。頭の形の相談、首すわりや寝返りの遅れ、身体の緊張など、様々な悩みを抱えていらっしゃいます。今回は治療家の立場から、低出生体重で生まれた赤ちゃんの身体発達について、そして保護者の方に知っておいてほしいことをお伝えします。


小さく生まれても、適切なサポートで健やかに成長できます
低出生体重で生まれた赤ちゃんには、身体面でいくつかの特徴が見られることがあります。これは決して悪いことではなく、小さく生まれたことによる自然な反応です。まず理解しておきたいのは、修正月齢という考え方です。例えば予定日より2ヶ月早く生まれた場合、生後4ヶ月でも発達としては2ヶ月相当と考えます。
頭蓋骨が柔らかく変形しやすいという特徴があります。早産児は特に頭の骨が薄く柔らかいため、向き癖や寝る姿勢の影響を受けやすくなります。NICUで長期間過ごした赤ちゃんは、同じ姿勢で管理されることが多く、頭の形が非対称になることも珍しくありません。
筋肉の緊張が強い、または逆に低緊張という状態も見られます。子宮の中で十分に成熟する時間がなかったため、筋肉のバランスが整っていないことがあるのです。首や肩、背中の筋肉が硬くこわばっていたり、逆にふにゃふにゃして力が入りにくかったりします。この筋緊張のアンバランスが、その後の運動発達に影響を与えることがあります。
首すわり、寝返り、お座り、ハイハイなどの運動発達が、標準的な月齢より遅れることがあります。ただしこれは修正月齢で評価する必要があります。例えば2ヶ月早く生まれた赤ちゃんが生後6ヶ月で首がすわったとしても、修正月齢では4ヶ月なので正常範囲内です。焦らず、その子のペースを見守ることが大切です。
触覚や聴覚が過敏な赤ちゃんもいます。NICUでの刺激が多い環境で過ごしたことや、神経系が未成熟なことが関係しています。抱っこを嫌がる、音に敏感、服の肌触りを気にするなどの様子が見られることがあります。これも成長とともに落ち着いていくことが多いです。
低出生体重で生まれた赤ちゃんに特に多いのが、頭の形の問題です。早産児は頭蓋骨が薄く柔らかいため、外からの圧力で変形しやすい状態にあります。NICUでの長期管理中に同じ向きで寝かされることが多く、後頭部が平らになったり、左右非対称になったりするケースがよく見られます。
退院後も向き癖が残っていることが多く、そのまま放置すると変形が進行してしまいます。生後6ヶ月までは頭蓋骨が柔らかく改善しやすい時期ですが、それを過ぎると徐々に硬くなり、形が定着してしまいます。だからこそ、気づいた時点での早期対応が重要になるのです。
当院に来られる低出生体重児のお母さんからは「NICUを退院してから頭の形が気になり始めた」「小児科で様子を見ましょうと言われたけど不安」という声をよく聞きます。医療機関では生命に関わる問題が優先されるため、頭の形は後回しにされがちです。しかし見た目の問題だけでなく、頭の形の歪みは全身のバランスにも影響を与える可能性があります。
頭の形が非対称だと、首の筋肉のバランスも崩れます。すると体幹の発達にも影響が出て、寝返りやお座りが遅れることがあります。また視線の方向も偏りやすく、身体全体の発達の土台となる感覚統合にも影響を与える可能性があるのです。頭の形を整えることは、見た目だけでなく運動発達をサポートすることにもつながります。
低出生体重で生まれた赤ちゃんの発達をサポートするために、家庭でできることがあります。ただし無理は禁物です。赤ちゃんの様子を見ながら、できる範囲で取り組んでください。
まず体位変換です。いつも同じ向きにならないよう、寝る向きや抱っこの向きを変えることを意識します。ただし低出生体重児は身体が小さく扱いに不安を感じる方も多いでしょう。無理に動かす必要はなく、授乳の向きを左右交互にする、ベッドの向きを変えるなど、簡単にできることから始めましょう。
タミータイム(腹ばいの時間)も効果的です。うつぶせの姿勢は首や背中の筋肉を鍛え、運動発達を促します。ただし低出生体重児は疲れやすいので、1日数分から始めて様子を見ながら徐々に時間を延ばしていきます。必ず保護者が見ている時に行い、赤ちゃんが嫌がったらすぐに中止してください。
優しいタッチングも大切です。低出生体重児は触覚が過敏なこともありますが、適度な皮膚刺激は神経系の発達を促します。ベビーマッサージのように本格的でなくても、優しく撫でる、手足を軽く動かすなど、スキンシップを大切にしてください。お母さんの温かい手の感触は、赤ちゃんにとって何よりの安心材料です。
周りの同じ月齢の赤ちゃんと比べて焦ってしまう気持ちは分かります。でも大切なのは修正月齢です。早く生まれた分を考慮して、その子のペースで成長を見守ってください。できないことに目を向けるより、できるようになったことを喜ぶ。そんな関わりが、赤ちゃんにとっても保護者にとっても大切です。
家庭でのケアで改善しない場合や、明らかな身体の問題がある場合は、専門的な施術を検討してください。当院では低出生体重で生まれたお子さんの施術も行っていますが、生後2週間頃から対応可能です。もちろん主治医の許可が前提となります。
どのような場合に施術が必要かというと、まず頭の形の変形が進行している場合です。後頭部の平坦化や左右非対称が目立つ場合は、早めの対応が望ましいです。生後3〜6ヶ月が最も効果的な時期なので、気になったら早めにご相談ください。
向き癖が強く自然に改善しない場合も、施術の対象となります。いつも同じ方向ばかり向いて、反対を向かせようとすると泣いて嫌がる。こんな状態が続いている場合、首や背中の筋肉に問題があることが多いです。優しい施術で筋肉の緊張を緩め、自然に両方を向けるようにしていきます。
運動発達の遅れが気になる場合も相談してください。修正月齢を考慮しても首すわりが遅い、寝返りをしないなどの場合、身体のどこかに動きを妨げる要因があるかもしれません。徹底的な検査で原因を特定し、その子に合わせた施術プランを立てていきます。
低出生体重で生まれた赤ちゃんの施術は、通常の赤ちゃん以上に慎重に行います。羽毛が触れる程度の優しい圧力で、頭蓋骨や首、背中の調整を行います。痛みはなく、施術中に眠ってしまう赤ちゃんも多いです。身体が小さく不安に感じる方もいらっしゃいますが、国家資格を持つ院長が責任を持って施術しますのでご安心ください。
低出生体重で生まれたからといって、必ずしも問題が起こるわけではありません。多くの赤ちゃんが元気に成長しています。私自身、早く生まれて幼少期は病弱でしたが、今こうして元気に仕事をしています。小学生の頃には野球を始め、高校では投手として活躍できるまでになりました。
大切なのは、その子のペースを尊重すること。周りと比べて焦らず、できるようになったことを一緒に喜ぶこと。そして必要な時には専門家の力を借りること。完璧な育児なんてありません。できる範囲でその子に向き合っていけば、必ず応えてくれます。
低出生体重で生まれた赤ちゃんは、ハンディではなく個性です。小さく生まれたことで得られる強さもあります。NICUで頑張って生きてきた強さ、困難を乗り越える力。そんな強さを持った子どもたちです。
一人で悩まないでください。頭の形が気になる、発達が遅れている気がする、どこに相談していいか分からない。そんな時は、いつでもご相談ください。長年の臨床経験と、自分自身の経験から、少しでもお役に立てることがあるかもしれません。小さく生まれた赤ちゃんとそのご家族を、全力でサポートします。

