
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
こんにちは、堺市北区で中林整骨院をしている中林と申します。産後の施術や赤ちゃんの体の悩みに関する相談を受けることが多く、最近では赤ちゃんの頭の形について不安を抱えているお母さんからの問い合わせが増えています。生後数ヶ月で我が子の頭の形が気になり始めると、「このままで大丈夫なのか」「ヘルメット治療が必要なレベルなのか」と心配になりますよね。


私も3人の子供を育ててきましたが、妻と二人で毎晩のように調べたり悩んだりしていた時期がありました。当時はまだ赤ちゃん整体に力を入れる前でしたが、この経験が今の施術につながっています。今回は赤ちゃんの頭の形に関するヘルメット治療の基準について、専門的な視点からお話ししていきます。


ヘルメット治療が必要かどうかの判断は、実は月齢と変形の程度によって大きく変わってくる
ヘルメット治療を検討する際、最も重要になるのが客観的な判断基準です。現在、医療機関で広く使われているのがArgenta分類と呼ばれる重症度評価システムになります。この分類では頭の変形をレベル1から5まで段階的に分けており、レベル3以上が中等度から重度と判断されることが一般的です。
具体的な数値としては、頭の左右差を示すCA値という指標が用いられます。CA値が13mm以上になると治療の適応とされることが多く、20mmを超えると重症度が高いと判断されます。ただし、この数値だけで決まるわけではなく、頭全体のバランスや変形のタイプによっても判断が異なってきます。
軽度の変形は後頭部の片側がやや平らになっている程度で、正面から見ても気づかないレベルです。この段階であれば向き癖の改善や体位変換などの保存的治療で十分改善が期待できます。中等度になると後頭部の平坦化が目立ち始め、額の突出や耳の位置のずれも見られるようになります。
重度の変形では頭全体の非対称性が明らかで、正面から見ても左右差がはっきりわかる状態です。この段階になると自然改善は難しく、ヘルメット治療の適応となることが多くなります。ただし重度であっても月齢によっては他の方法を優先することもあるため、専門家による総合的な判断が必要になります。
赤ちゃんの頭の変形には大きく分けて斜頭症と短頭症があります。斜頭症は後頭部の片側が平らになり頭全体が斜めに歪んだ状態で、向き癖が原因となることがほとんどです。一方、短頭症は後頭部全体が平らになり頭が前後に短く左右に広がった形になります。
この二つのタイプでは変形の進行パターンや改善方法も異なってきます。斜頭症の場合は向き癖の矯正が効果的ですが、短頭症は仰向けで寝る時間が長いことが原因となるため、うつ伏せ遊びの時間を増やすことが重要です。ヘルメット治療を検討する際も、どちらのタイプかによって治療期間や効果の出方が変わってきます。
ヘルメット治療において最も重要なのが開始時期です。一般的に生後3ヶ月から7ヶ月の間が最も効果的とされており、特に生後4ヶ月から6ヶ月での開始が理想的と言われています。この時期は頭蓋骨がまだ柔らかく成長が活発なため、適切な方向へ導きやすいという特徴があります。
生後8ヶ月を過ぎると頭蓋骨の成長スピードが緩やかになり、治療効果が出にくくなってきます。1歳を超えるとさらに改善が難しくなるため、できるだけ早い段階での判断が求められます。ただし、生後3ヶ月未満では赤ちゃんの首がまだ安定していないことや、自然改善の可能性も高いため、通常は様子を見ることが多くなります。
治療効果は月齢と密接に関係しています。生後4ヶ月で治療を始めた場合、平均3から4ヶ月で目標とする頭の形に近づけることができます。一方、生後8ヶ月で開始した場合は6ヶ月以上の装着が必要になることもあり、改善度合いも若干低くなる傾向があります。
これは頭蓋骨の成長速度が月齢とともに減少していくためです。生後6ヶ月までは頭囲が月に約1cm増加しますが、それ以降は成長が緩やかになります。この成長の勢いを利用して形を整えるのがヘルメット治療の原理なので、早期に始めるほど短期間で効果が得られやすいというわけです。
すべての頭の歪みがヘルメット治療の対象になるわけではありません。生後2ヶ月から3ヶ月頃の軽度な変形であれば、まずは向き癖の改善や体位変換で対応することが基本です。この時期はまだ頭蓋骨が非常に柔らかく、環境を整えるだけで自然に改善することも少なくありません。
具体的には授乳時の抱き方を左右交互に変えたり、寝る向きを調整したり、タオルを使った体位保持などを試してみることをお勧めします。これらの方法を1ヶ月から2ヶ月続けても改善が見られない場合や、むしろ悪化している場合は専門医への相談を検討すべきタイミングです。
ヘルメット治療が注目されることが多いですが、実際には他にも有効な方法があります。当院で行っている赤ちゃん整体もその一つで、頭蓋骨や首、体全体のバランスを整えることで頭の形の改善を目指します。特に軽度から中等度の段階であれば、整体による施術と家庭でのケアを組み合わせることで十分な効果が期待できます。
整体では頭蓋骨の縫合部分に優しくアプローチし、自然な成長を促していきます。同時に首の緊張や体の歪みも調整することで、向き癖そのものの改善にもつながります。実際に当院でも生後3ヶ月から施術を始め、ヘルメット治療を回避できたケースが数多くあります。
最も基本的で重要な方法が体位変換です。赤ちゃんが起きている時間はできるだけうつ伏せの姿勢で遊ばせることで、後頭部への圧迫を減らすことができます。タミータイムと呼ばれるこの時間を1日に合計1時間以上確保することが理想です。
また寝る際の向きを調整することも効果的です。平らになっている側を上にして横向きで寝かせたり、バスタオルを丸めて体の下に入れて角度をつけたりする方法があります。ただし、窒息のリスクを避けるため、必ず保護者の目が届く範囲で行うことが大切です。授乳時も毎回同じ向きではなく左右交互に抱くことで、頭への圧力を分散させることができます。
当院で実際に行っている施術では、まず詳細な検査で頭の変形の程度と原因を特定します。多くの場合、向き癖の背景には首の筋肉の緊張や骨盤の歪みが隠れています。出産時の影響や子宮内での姿勢が関係していることもあり、単に頭だけを見るのではなく全身のバランスを整えることが重要です。
施術は非常にソフトで、赤ちゃんへの負担はほとんどありません。頭蓋骨の調整、首の筋肉のリリース、体全体のバランス調整を組み合わせて行います。通常は週に1回から2回のペースで、状態に応じて2ヶ月から3ヶ月継続することで効果が現れてきます。ヘルメット治療と比較すると費用も抑えられ、赤ちゃんの負担も少ないというメリットがあります。
実際にヘルメット治療を選択した場合、どのような流れになるのかも知っておくと安心です。まず専門医療機関を受診し、頭部の3Dスキャンや計測を行います。その結果をもとに一人ひとりの頭の形に合わせたオーダーメイドのヘルメットが作成されます。
ヘルメットは基本的に1日23時間装着が必要で、入浴時のみ外すという生活になります。装着開始から1週間ほどは慣れるための期間で、徐々に装着時間を延ばしていきます。2週間に1度の通院で頭の形の変化を確認しながら、ヘルメット内部の調整を行っていきます。治療期間は平均で3ヶ月から6ヶ月程度です。
ヘルメット治療は基本的に保険適用外の自費診療となります。費用は医療機関によって異なりますが、一般的には30万円から60万円程度かかることが多いようです。この中にはヘルメット本体の作成費用、定期的な調整費用、診察費用などが含まれます。
高額な治療費がネックになる方も多いのですが、医療費控除の対象になる場合があります。また一部の自治体では助成制度を設けているところもあるため、お住まいの地域の情報を確認してみることをお勧めします。治療を検討する際は費用面も含めて総合的に判断することが大切です。
ヘルメット治療中は皮膚トラブルに注意が必要です。長時間の装着により汗疹やかぶれが生じることがあるため、ヘルメット内部や赤ちゃんの頭皮を清潔に保つことが重要になります。夏場は特に蒸れやすいので、エアコンで室温を調整するなどの工夫も必要です。
また、ヘルメットの装着を嫌がって泣く赤ちゃんもいます。最初の1週間から2週間は特に大変ですが、徐々に慣れていくことがほとんどです。家族全員で協力しながら、赤ちゃんのストレスを最小限に抑える工夫をしていくことが治療継続のポイントになります。
赤ちゃんの頭の形について不安を感じたら、まずはかかりつけの小児科医に相談してみてください。多くの場合は乳児健診の際に相談することができます。ただし、小児科医の中には頭の形の専門的な知識が限られている場合もあり、「様子を見ましょう」と言われて不安が解消されないこともあります。
より専門的な診断を希望する場合は、形成外科や脳神経外科の「赤ちゃんの頭の形外来」を受診することをお勧めします。最近では多くの大学病院や総合病院でこの専門外来が開設されており、詳細な計測と適切なアドバイスを受けることができます。また、当院のような赤ちゃん整体を行っている治療院でも相談を受け付けています。
一つの医療機関で「ヘルメット治療が必要」と言われても、別の医療機関では「様子を見ても大丈夫」と判断が分かれることがあります。これは医師によって治療方針や基準が若干異なるためです。高額な治療費がかかることもあり、迷ったときは複数の専門家の意見を聞くことも一つの選択肢です。
当院にも他の医療機関でヘルメット治療を勧められたものの、費用面や赤ちゃんへの負担を考えて他の方法を探しているという相談が多く寄せられます。実際に診察してみると、整体と家庭でのケアで十分改善可能なケースも少なくありません。複数の選択肢を知った上で、ご家族にとって最適な方法を選ぶことが大切です。
頭の形について気になり始めたら、できるだけ早く専門家に相談することをお勧めします。生後2ヶ月から3ヶ月の段階で相談すれば、ヘルメット治療以外の方法で改善できる可能性が高くなります。逆に、生後6ヶ月を過ぎてから相談した場合は選択肢が限られてしまうことがあります。
「様子を見ましょう」と言われて数ヶ月が経過し、結局改善せずに後悔するケースも見てきました。特に第一子の場合は判断が難しいと思いますが、少しでも不安があれば早めに行動することが結果的に赤ちゃんにとって最善の選択につながります。一人で悩まず、まずは気軽に相談してみてください。
赤ちゃんの頭の形に関する悩みは、親御さんにとって大きな不安の種になりますよね。ヘルメット治療が必要かどうかの判断は、変形の程度と月齢によって大きく変わってきます。軽度から中等度であれば、向き癖の改善や整体施術などの方法で十分改善が期待できることも多いです。大切なのは早期に専門家へ相談し、適切な時期に適切な対応を始めることです。当院では赤ちゃんの体全体のバランスを整える施術を通じて、多くの赤ちゃんの頭の形改善をサポートしてきました。一人で抱え込まず、どんな小さな心配事でもお気軽にご相談いただければと思います。

