
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
堺市北区中百舌鳥にある中林整骨院・なかもず院の中林佑樹です。離乳食を始めたばかりのママさんから「何を食べさせたらいいかはわかるけど、食べさせてはいけないものがはっきりわからなくて不安です」という相談をよく受けます。私自身も3人の子どもを育てた経験があり、長女の離乳食を始めたときは妻と一緒に食材選びにとても神経を使ったことを今でも覚えています。


離乳食期における赤ちゃんの健康を守るためには、発達段階に応じて避けるべき食材をしっかり理解しておく必要があります。ニュースで乳児ボツリヌス症の報道を見て不安になった方も多いのではないでしょうか。今回は臨床経験25年の中で多くの赤ちゃんと保護者の方に接してきた私の視点から、赤ちゃんに与えてはいけない食材について、その理由とともに詳しくお伝えします。


大切なお子さんの命を守るための知識として、ぜひ最後まで読んでいただきたいです
赤ちゃんの食事で最も注意が必要なのは、命に関わる危険性がある食材です。1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはいけないということはご存じの方も多いと思いますが、その理由をきちんと理解しておくことが大切です。はちみつにはボツリヌス菌の芽胞が含まれている可能性があり、消化器官が未熟な赤ちゃんが摂取すると腸内で菌が増殖し、乳児ボツリヌス症を引き起こす危険があります。この病気は呼吸困難を引き起こし、最悪の場合死に至ることもあります。
生の魚介類や生肉も絶対に避けるべき食材です。生魚には寄生虫のリスクがあり、生肉には食中毒の原因となる細菌が付着している可能性が高いため、赤ちゃんの未熟な免疫システムでは対応できません。お刺身や生ハム、ローストビーフなども加熱が不十分な場合があるため注意が必要です。また、生卵も同様にサルモネラ菌による食中毒のリスクがあるため、必ず完全に加熱したものを与えるようにしてください。
アルコールを含む食品も厳禁です。料理酒やみりんを使った煮物であっても、加熱が不十分だとアルコールが残っている場合があります。赤ちゃんの肝臓はアルコールを分解する機能が未発達なため、わずかな量でも脳や肝臓に深刻なダメージを与える可能性があります。ラム酒が入ったお菓子やワインを使ったソースなども同様に避けましょう。
食材の形状や硬さによっては、窒息事故につながる危険性があります。ミニトマトやブドウなどの球状の食べ物は、そのまま喉に詰まりやすく大変危険です。与える場合は必ず4等分以上に切り、皮も剥いてから食べさせるようにしてください。私の息子が2歳のときにブドウを喉に詰まらせかけたことがあり、その瞬間は本当に肝を冷やしました。
もちやこんにゃくゼリーなどの粘度が高い食品も窒息リスクが非常に高い食材です。もちは3歳を過ぎても注意が必要で、小さく切っても唾液で溶けにくく喉に張り付きやすい性質があります。こんにゃくゼリーは弾力が強すぎて吸い込んだ際に気道を完全にふさいでしまうため、乳幼児には絶対に与えないでください。ナッツ類も3歳未満は避けるべきで、細かく砕いても気管に入ると肺炎を引き起こす可能性があります。
赤ちゃんの消化機能は月齢とともに発達していくため、それぞれの段階で注意すべき食材が異なります。生後5〜6ヶ月の離乳食初期では、消化器官がまだ非常に未熟なため、与えられる食材は限られています。この時期は十倍粥や裏ごしした野菜ペースト、豆腐などの柔らかいタンパク質から始めるのが基本です。この段階では乳製品は加熱したものに限定し、ヨーグルトやチーズも少量ずつ様子を見ながら進めていきます。
生後7〜8ヶ月の離乳食中期になると食べられる食材の幅が広がりますが、まだ塩分や糖分が多い加工食品は避ける必要があります。ハムやソーセージ、かまぼこなどの練り物には塩分が多く含まれているだけでなく、添加物も多いため赤ちゃんの腎臓に負担をかけてしまいます。また、この時期はまだ噛む力が弱いため、繊維質の多い野菜や弾力のある食材は細かく刻んだり柔らかく煮たりする必要があります。
生後9〜11ヶ月の離乳食後期になると、かなり多くの食材が食べられるようになりますが、それでも刺激物や消化に負担がかかる食材は避けましょう。カレーやキムチなどの辛い食べ物、炭酸飲料やカフェインを含む飲み物は胃腸に刺激が強すぎます。チョコレートも糖分が多く虫歯の原因になるだけでなく、カフェインが含まれているため1歳を過ぎるまでは与えない方が無難です。
食物アレルギーは赤ちゃんの命に関わる重大な問題です。特定原材料8品目と呼ばれる卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生・くるみは、アレルギー症状を起こしやすい食材として厚生労働省も注意喚起しています。これらの食材を初めて与えるときは、必ず平日の午前中に小さじ1杯程度から始め、何か症状が出た場合にすぐ医療機関を受診できるようにしておくことが重要です。
当院にも赤ちゃんの体調管理で相談に来られる保護者の方が多いですが、食物アレルギーの家族歴がある場合は特に慎重に進める必要があります。アレルギー反応は軽い湿疹から始まることもあれば、いきなり呼吸困難を伴うアナフィラキシーショックを起こすこともあります。少しでも異変を感じたら、様子を見ずにすぐに医療機関を受診してください。
赤ちゃんの腎臓機能は大人の3分の1程度しかなく、塩分を処理する能力が非常に限られています。そのため大人が普通に食べている食品でも、赤ちゃんにとっては塩分過多になってしまうことがあります。インスタント食品やレトルト食品、ファストフードなどは塩分だけでなく添加物も多く含まれているため、できるだけ避けるべきです。
市販のお菓子やジュースも糖分が非常に多く、虫歯の原因になるだけでなく、甘い味に慣れてしまうと野菜などの自然な味を受け付けなくなる可能性があります。スナック菓子には塩分や油分も多く含まれており、赤ちゃんの未熟な消化器官には負担が大きすぎます。我が家でも子どもたちが小さいときは、できるだけ手作りのおやつを用意するように心がけていました。
食材選びだけでなく、調理方法や保存状態にも気を配る必要があります。作り置きの離乳食は冷凍保存が基本ですが、解凍後は必ず再加熱して、細菌の繁殖を防ぐようにしてください。また、外出先で購入したベビーフードの開封後は、その日のうちに使い切ることが大切です。
調味料の使用も最小限に抑えるべきで、特に1歳未満では塩や砂糖を加えなくても素材本来の味で十分です。だしを取る際も、市販の顆粒だしには塩分や添加物が含まれているため、昆布や鰹節から丁寧にだしを取ることをおすすめします。手間はかかりますが、赤ちゃんの健康を守るための大切な習慣です。
離乳食について、祖父母世代から「昔はもっと早くからいろいろ食べさせていた」と言われて困っているママさんも多いのではないでしょうか。実際、育児の常識は時代とともに変化しており、30年前と今では推奨される方法が大きく異なります。たとえば果汁を早期から与える習慣は現在では推奨されていませんし、離乳食の開始時期も遅くなっています。
義理の両親や実の両親と意見が食い違ったときは、小児科医や保健師さんの意見を引用しながら、最新の知見に基づいた育児方法を理解してもらう努力が必要です。祖父母世代も孫の健康を願う気持ちは同じなので、丁寧に説明すれば理解してもらえるはずです。
赤ちゃんに与える食材選びは、単に栄養を摂取するだけでなく、成長過程にある消化器官や免疫システムを守るためにとても重要です。当院では産前産後のケアに力を入れており、赤ちゃんの身体の発達についても多くの相談を受けてきました。食事と同じように、赤ちゃんの身体全体のバランスを整えることが健やかな成長につながります。
もし赤ちゃんの食事や健康面で不安なことがあれば、一人で抱え込まずに専門家に相談することが大切です。当院では赤ちゃんの身体の状態を丁寧に検査し、それぞれの発達段階に応じた適切なアドバイスを行っています。離乳食の進め方で悩んでいる方、赤ちゃんの体調管理で心配なことがある方は、いつでもお気軽にご相談ください。

