
院長:中林お気軽にご相談ください!

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こんにちは、堺市北区なかもず院の中林です。今日は帝王切開のあとに頭痛が起きる理由について、できるだけわかりやすくお伝えしたいと思います。「産後の頭痛の原因が知りたい」と調べてこの記事にたどり着いてくださった方も多いのではないでしょうか。
実は、帝王切開後の頭痛には原因がひとつだけではありません。麻酔のせいだと思っていたら別の原因があった、ということも珍しくないんです。
「なぜ頭が痛くなるのかわかれば、怖くない」という気持ち、とてもよくわかります。原因を理解することで、今の自分の状況が整理できて、次に何をすべきかが見えてきます。今日はその入口として、ぜひ最後まで読んでみてください。




帝王切開後の頭痛についてのご相談は当院でも本当によくあります。「麻酔のせいだと思っていたけど、もしかして別の原因があるのでは?」と気づいて来院される方がとても多いです。原因のタイプをしっかり把握することが、改善への一番の近道だと感じています
帝王切開後の頭痛は、大きく4つの原因タイプに分けて考えることができます。「自分の頭痛はどれに近いか」と照らし合わせながら読んでみてください。ひとつだけが原因のこともあれば、複数の原因が重なっていることもあります。それぞれに症状の特徴がありますので、セルフチェックの参考にしていただけます。
帝王切開で最もよく使われるのが「脊髄くも膜下麻酔」という方法です。背中の骨と骨の間から針を刺して、お腹から下の感覚をなくします。このとき、硬膜という膜にごく小さな穴が開くことがあります。
硬膜の中には「脳脊髄液」という液体が流れていて、脳や脊髄を外部の衝撃から守る役割を担っています。この穴から脳脊髄液がわずかに漏れ出すと、脳を包む圧力が下がり、頭痛が起こります。医療の現場では「硬膜穿刺後頭痛(PDPH)」と呼ばれています。
このタイプの最大の特徴は、横になると楽になり、起き上がると悪化するという点です。「座ったとたんにズキズキ始まる」「立って赤ちゃんを抱っこするのがつらい」という方は、このタイプの可能性が高いです。術後1〜3日以内に現れることが多く、多くの方は1週間以内に改善していきます。
出産後は女性ホルモン(エストロゲン)の値が急激に変化します。このホルモンが急に下がることで、脳内の血管が収縮・拡張しやすくなり、頭痛が起きやすくなることが知られています。
このタイプは産後のマタニティブルーと同じ時期に重なることが多く、気分の落ち込み・涙もろさ・疲労感と一緒にやってくることも少なくありません。産後2〜6週間ほどかけてホルモンバランスが落ち着くにつれ、自然に改善していくことが多いです。ただし睡眠不足や育児ストレスが重なると長引くこともあります。
「帝王切開だったから、骨盤は関係ない」と思っていませんか。実はこれ、よくある誤解なんです。帝王切開であっても、妊娠中から「リラキシン」というホルモンが分泌されています。
リラキシンは出産に向けて骨盤の靭帯や関節をやわらかくほぐす役割を持ちますが、産道を通ったかどうかに関係なく、妊娠した時点からしっかり分泌されています。つまり帝王切開のお母さんも、経腟分娩と同じように骨盤の関節がゆるんだ状態になっているのです。
さらに帝王切開では麻酔によって体幹まわりの筋肉が一時的に機能しにくくなるため、関節を支える力が落ちた状態が産後も続きやすくなっています。骨盤がゆるんだまま育児を続けると、授乳中の前かがみ姿勢・抱っこによる腰の負担が積み重なり、首・肩・頭部への緊張につながって頭痛として現れることがあります。
「お腹の手術なのに、なぜ頭が痛くなるの?」と思われるかもしれません。これは体の構造を知ると、納得できる話です。
私たちの体には「筋膜」という薄いフィルムのような組織が全身に張り巡らされています。頭のてっぺんから足の裏まで、一枚のつながったシートのようなイメージです。帝王切開では皮膚・脂肪・筋膜・子宮と複数の層を切開するため、術後の回復過程で本来は別々に動くべき組織同士がくっついてしまう「癒着」が起こることがあります。
お腹の筋膜が癒着すると、背骨・骨盤・仙骨の動きが制限されます。仙骨は脳脊髄液を包む硬膜と直接つながっているため、仙骨の動きが乱れると脳脊髄液の循環が悪くなり、頭痛・めまい・耳鳴りといった症状につながることがあります。これが「病院で異常なしと言われたのに、頭が痛い」という状況の正体のひとつです。
自分の頭痛がどのタイプに近いかを確認するためのポイントをまとめました。複数に当てはまる場合は、原因が重なっている可能性があります。
| 頭痛のタイプ | こんな症状・状況に当てはまる | 現れやすい時期 |
|---|---|---|
| 麻酔性(PDPH) | 横になると楽、起き上がると悪化する | 術後1〜7日 |
| ホルモン変化 | 気分の落ち込みと同時に起こる、波がある | 術後2〜6週間 |
| 骨盤・姿勢の乱れ | 肩こり・腰痛を伴う、授乳後に悪化する | 術後数週間〜 |
| 癒着・筋膜の乱れ | 病院で異常なし、めまいを伴う | 術後数ヶ月〜長期 |
「どれかひとつ」とは言い切れない、という方も多いです。実際に当院に来院される方も、複数の要因が絡み合っているケースがほとんどです。
原因のタイプを把握できたら、次は対処法です。タイプによって取るべきアクションが変わります。ここでは各タイプごとの基本的な方向性をお伝えします。
脳脊髄液の主成分は水ですので、こまめな水分補給が回復を助けます。1日1.5〜2リットルを目安に、授乳中はとくに意識してください。起き上がると悪化するため、横になれる時間を確保することが大切です。1週間以上経っても改善しない場合は、次のステップとして専門家への相談をおすすめします。
ホルモンの変動は自然なプロセスですので、無理に抗おうとせず「今はそういう時期」と受け入れることが第一歩です。睡眠・食事・適度な休息を意識しながら、できるだけストレスを減らす環境を整えましょう。パートナーや家族に協力を求めることも、とても大切なことです。
骨盤のゆるみは、リラキシンの分泌が落ち着く産後6〜8週間ほどで徐々に安定してきます。ただしその間に姿勢の悪さが定着してしまうと、慢性的な頭痛・肩こり・腰痛につながります。授乳クッションで体の負担を減らす工夫をしながら、早めに骨盤まわりのケアを始めることをおすすめします。
このタイプは自然に改善することが難しく、体の機能的な問題にアプローチできる専門家のケアが必要です。病院の画像検査では映らない問題であるため、「異常なし」と言われた方でも安心してご相談いただけます。
当院では、症状の「結果」だけでなく「なぜそうなったのか」という根本原因を追求することを大切にしています。検査から施術まですべて私・中林が一人で担当しますので、毎回担当者が変わって説明をやり直す必要はありません。25年以上、10万人以上の施術に向き合ってきた経験から、産後の体の変化には特別な注意を払って対応しています。
当院が取り入れているオステオパシーは、体を「すべてつながったひとつのシステム」として捉える手技療法です。頭痛の原因がお腹の癒着にある場合、そこから丁寧にアプローチします。骨盤・仙骨・筋膜・頭蓋骨のリズムまで、体全体の状態を確認しながら施術を組み立てていきます。
産後の腰痛・股関節の違和感・膝の痛み・恥骨の痛み・尿もれなども、頭痛と同じく帝王切開後の体の変化と深く関係していることがあります。頭痛だけでなく、体全体のお悩みをまとめてご相談いただけます。
薬を使わずに体の機能を回復させるアプローチですので、授乳中のお母さんにも安心して受けていただけます。赤ちゃん連れでの来院も歓迎していますので、「赤ちゃんがいるから行けない」とは思わないでください。
30代の女性で、第一子を帝王切開で出産してから2ヶ月後に来院された方がいらっしゃいました。術後から頭が重い状態が続き、内科・産婦人科を受診しても「異常なし」と言われたそうです。
「麻酔の頭痛は1週間で治ると聞いていたのに、なぜまだ続くのか」という疑問を抱えながら、ネットで原因を調べてたどり着いてくださいました。検査をしてみると、帝王切開の傷周辺に強い癒着の緊張があり、骨盤・仙骨の動きに著しい制限が見られました。
施術を重ねるにつれ、まず肩と首の緊張がほぐれ、5回目以降から「頭の重さがだいぶ取れてきた」とおっしゃっていただけました。「原因がわかってスッキリしました」という言葉が、とても印象に残っています。
帝王切開後の頭痛の原因は、麻酔・ホルモン変化・骨盤のゆるみ・癒着の4タイプに分けられます。それぞれ症状の特徴や現れやすい時期が異なるため、まず自分のタイプを把握することが大切です。
「原因さえわかれば怖くない」——そう思って調べてくださっているあなたに、ひとつだけお伝えしたいことがあります。原因を知ることはとても大切ですが、体の問題はひとりで抱え込まないでください。特に「病院で異常なしと言われた」「麻酔の頭痛はとっくに治ったはずなのにまだ痛い」という方は、見えていない原因が体の中に残っている可能性があります。
赤ちゃんのお世話をしながら、体の不調とも戦っている毎日は、本当に大変なことだと思います。お母さんが元気でいることが、赤ちゃんにとっても家族にとっても何よりの幸せです。「ちょっと気になることがある」という段階でも、ぜひ気軽に相談しに来てください。一緒に体のことを考えていきましょう。

