
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
こんにちは、堺市北区なかもずの「中林整骨院・なかもず院」院長の中林です。先日、帝王切開で出産されたばかりのママさんから「先生、これってマッサージ受けていいんですか?」というご相談をいただきました。
実はこのご質問、毎月のように届きます。帝王切開はお腹を切る手術なので「触ったら悪化しないか」「傷口に響かないか」と不安を感じるのは、ごく自然なことです。
今日は、帝王切開を経験したあとに産後の骨盤矯正やマッサージをしてもよいのかどうか、時期・触れていい部位・注意点まで、臨床経験25年以上の視点からわかりやすくお話しします。
「やりたいけど怖くて踏み出せない」というママさんのお役に立てれば嬉しいです。




帝王切開後に「マッサージしたいけど怖い」と感じているママさん、その気持ちはよくわかります。でも、適切な時期に正しいケアをすることが産後の体を早く楽にするための大切な一歩です。怖がって何もしない方が、回復を遅らせてしまうことも多いんです
結論から言うと、帝王切開後でも適切な時期と方法を守ればマッサージは受けられます。ただし、経腟分娩とはケアのアプローチが異なる点がありますので、そこをきちんと理解しておくことが大切です。手術直後に強い刺激を与えることは避けるべきですが、だからといって何もしないでいると回復が遅れてしまう原因にもなります。
大切なのは「今の自分の体がどの段階にあるか」を正確に把握したうえで、それに合ったアプローチを選ぶことです。体の状態を無視したケアは逆効果になる可能性があるため、専門家に相談しながら進めることをお勧めします。
帝王切開後の体のケアは、産後の経過に合わせて段階的に進めることが基本です。以下の目安はあくまでも一般的なものですので、実際には担当医の許可を必ず確認してから行うようにしてください。個人差があることを忘れないでくださいね。
この時期は傷口の回復と子宮の戻りが同時進行しており、体にとって最も負担がかかる大切な時期です。産後3週間は特に無理をせず、できるだけ横になって過ごすことが回復を早める一番の方法です。
当院のブログ「産後3週間は床上げ禁止!マッサージを受ける正しい時期」でも詳しく解説していますが、この時期に専門的なマッサージを受けることは基本的に勧めていません。まずはゆっくり体を休めることだけを考えてください。
1か月健診で「回復が順調です」と言われてから、初めてケアを考えるタイミングになります。ただし帝王切開の場合、この段階では傷口や腹部への直接的な刺激はまだ慎重に避ける必要があります。
足首のストレッチや骨盤ベルトの使用、軽いウォーキング程度から始めるのが安全です。むくみや全身の血流改善を目的とした軽めのケアなら、専門家のもとで受け始めることができます。
傷口の表面が落ち着き、日常生活も少しずつ戻ってくるこの時期が、骨盤矯正・産後マッサージを本格的に受けるのに最も適した時期です。妊娠中に分泌されたリラキシンというホルモンの影響で、産後6か月ごろまで骨盤まわりの靭帯はまだ柔らかい状態が続いています。この「整えやすい時期」を逃さずに専門家のケアを受けることで、骨盤の歪みや筋力の低下をしっかり改善できます。
「もう産後1年以上経つから手遅れかも…」と思っている方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。時間が経っていても、根本的なアプローチをすれば体は応えてくれます。
帝王切開後のマッサージで重要なのが「どの部位にどんなアプローチをするか」です。経腟分娩の産後ケアとは異なり、腹部への対応に特別な注意が必要になります。部位ごとのポイントをお伝えします。
術後の傷口(恥骨の少し上あたりの横線)の周辺は、皮膚の表面は塞がっていても内側では組織がつながり直している最中です。傷から3〜5cm以内への強い圧迫や摩擦は、傷の回復を妨げる可能性があります。
傷跡まわりの癒着が残ったままになると、腰痛や股関節の動きの制限として長引く原因になることがあります。適切な時期が来たら、専門家のもとで癒着へのアプローチも含めたケアを受けることを強くお勧めします。
腰や骨盤まわり・太もも・ふくらはぎなどは、傷口から離れているためケアを受けやすい部位です。帝王切開後の体では、お腹をかばう前傾姿勢の習慣から腰椎への負担が増えやすく、産後の腰痛が起こりやすくなります。骨盤の不安定さから産後の股関節痛や産後の膝痛として現れるケースも多くあります。
当院にいらっしゃる帝王切開後のママさんに共通して見られる不調があります。「これって仕方ないこと?」と諦めている方も多いのですが、適切なケアで改善できるケースがほとんどです。
帝王切開でも妊娠中の骨盤の緩みはすべての妊産婦に起こります。そのため産後に歩くたびに恥骨がズキッとするような産後の恥骨痛が現れることがあります。骨盤の安定性を高めることで改善していくことがほとんどですので、「帝王切開だから違う症状では?」と思わずに相談してください。
「帝王切開だから産道を通っていない、骨盤底筋は関係ないはず」と思っている方がとても多いのですが、これは大きな誤解です。妊娠中の約9か月間、骨盤底筋は赤ちゃんの重さを支え続けています。そのため帝王切開後でも産後の尿漏れは起こりますし、骨盤底筋へのアプローチは必要です。くしゃみや笑ったときに漏れてしまう…という症状は、恥ずかしいことではなく立派な産後の不調です。
産後のケアはすべてをサロンや整骨院に任せなくても、自宅でできることを組み合わせることで回復をサポートできます。ただし、セルフケアには限界があることも忘れないでください。当院のブログ「産後の骨盤ケアをセルフケアだけで改善できるか?」でも詳しく書いていますが、正確な体の評価なしにセルフケアだけで根本改善を目指すのは難しいのが現実です。
自宅でできるセルフケアとしては、深呼吸を使った腹圧トレーニング・骨盤底筋を意識した軽い運動・ウォーキングなどが挙げられます。一方、骨盤の歪みの矯正・傷跡の癒着へのアプローチ・全身の筋膜調整などは体の状態を正確に評価したうえで行う必要があるため、専門家の施術が必要な領域です。
「なんとなく体がスッキリしない」「自分でやってみたけど良くならない」という場合は、早めに専門家に相談することをお勧めします。体は放置するほど回復に時間がかかります。
実は私自身、小学1年生の冬に交通事故で右太ももを骨折し、手術を受けて約2か月間入院した経験があります。退院後のリハビリは本当につらくて、毎日が苦しかった記憶があります。だからこそ、手術後の体がどれほどデリケートで、適切なケアがどれほど大切かということを、身をもって知っています。
帝王切開後の患者さんに対しては、傷の状態・術後の経過・体の動きのクセを初回に丁寧に確認したうえで、その方だけに合わせた施術プランを組み立てています。「帝王切開だからマッサージできない」ということはありませんが、「帝王切開だからこそ正しいアプローチが必要」ということは間違いありません。
産後の体を「仕方ない」で終わらせてほしくないんです。痛みや不調の根本原因を一緒に追究して、またやりたいことを思いっきりできる体を取り戻しましょう。一人で悩まず、いつでもお気軽にご相談ください。あなたのことを全力でサポートします。

