
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
堺市北区で治療院をしている中林です。最近、患者さんから「しっかり寝ているはずなのに朝起きても体がだるい」「何時間寝ても倦怠感が消えない」という相談がとても増えています。実は倦怠感と睡眠には密接な関係があり、単に時間を確保すれば良いというものではないのです。睡眠の「質」こそが、倦怠感を左右する最も重要な要素だと、私の25年以上の臨床経験からも断言できます。
私自身、幼少期は病弱で体調を崩すことが多く、質の良い睡眠が取れない日々を過ごしていました。また小学生の時の入院生活では、環境が変わることで眠りが浅くなり、リハビリの疲労が翌日まで残ってしまう経験もしました。だからこそ、睡眠が体の回復にどれほど重要かを身をもって理解しています。今回は倦怠感と睡眠の関係について、そしてどうすれば質の高い睡眠を取り戻せるのかを、治療家の視点からお伝えしていきます。


睡眠時間を確保していても倦怠感が続くなら、睡眠の質だけでなく体の構造にも問題があるかもしれません
多くの方が「7時間も8時間も寝ているのに疲れが取れない」と悩んでいますが、これは睡眠時間ではなく睡眠の質に問題があることがほとんどです。睡眠には深い眠りと浅い眠りのサイクルがあり、このバランスが崩れると、どれだけ長く寝ても体は十分に回復できません。特に深い睡眠であるノンレム睡眠の時間が短くなると、成長ホルモンの分泌が減り、細胞の修復や疲労回復が妨げられてしまいます。
また、睡眠中に何度も目が覚める中途覚醒や、朝早く目覚めてしまう早朝覚醒も、睡眠の質を大きく低下させる要因です。こうした睡眠障害があると、体は常に緊張状態にあり、自律神経のバランスが乱れてしまいます。自律神経の乱れは倦怠感の大きな原因のひとつで、交感神経が優位な状態が続くと、体は休まることなく疲弊していくのです。
さらに、睡眠時無呼吸症候群のように、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気が隠れているケースもあります。本人は気づいていなくても、呼吸が止まるたびに脳が覚醒してしまうため、深い眠りに入ることができません。その結果、何時間寝ても疲労が回復せず、日中も強い倦怠感や眠気に悩まされることになります。
倦怠感と睡眠の関係を理解するには、どのような睡眠の問題が倦怠感を引き起こすのかを知ることが大切です。ここでは当院に来られる患者さんによく見られる、代表的な睡眠の問題についてお話ししていきます。これらを知ることで、ご自身の睡眠にも問題がないかチェックしてみてください。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という2つの段階があり、特にノンレム睡眠の中でも深い段階(徐波睡眠)は、体の修復や疲労回復に欠かせません。しかしストレスや不安、生活習慣の乱れなどによって、この深い睡眠が十分に取れなくなることがあります。眠りが浅いと、朝起きた時に「ぐっすり眠った」という感覚がなく、体の重さや倦怠感が残ってしまうのです。
深い睡眠が取れているかどうかは、朝の目覚めの質で判断できます。アラームが鳴る前に自然に目が覚め、すっきりとした気分で起き上がれるなら、深い睡眠が取れている証拠です。逆に、何度もアラームを止めてしまう、起きた瞬間から体が重いと感じるなら、睡眠の深さに問題があるかもしれません。
自律神経のバランスが崩れると、睡眠と倦怠感の両方に深刻な影響を及ぼします。自律神経には交感神経と副交感神経があり、通常は夜になると副交感神経が優位になって体がリラックスモードに入り、自然な眠気が訪れます。しかし慢性的なストレスや生活習慣の乱れによって交感神経が優位な状態が続くと、夜になっても体が興奮状態のままで、なかなか寝付けなくなってしまいます。
当院では自律神経の検査も行っていますが、倦怠感で悩む患者さんの多くに自律神経の乱れが見られます。特に交感神経が過剰に働いている方は、寝つきが悪いだけでなく、眠りも浅く、夜中に何度も目が覚めてしまう傾向があります。このような状態が続くと、睡眠による回復が不十分なまま朝を迎えることになり、慢性的な倦怠感へとつながっていくのです。
いびきをかく、朝起きた時に頭痛がする、日中に強い眠気がある、こうした症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も考えられます。これは睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう病気で、本人は気づかないうちに脳が覚醒を繰り返し、深い睡眠が妨げられています。その結果、どれだけ長時間寝ても疲労が回復せず、慢性的な倦怠感に悩まされることになります。
睡眠時無呼吸症候群は放置すると高血圧や心疾患のリスクも高まる危険な病気です。家族からいびきを指摘されている方、日中に我慢できないほどの眠気がある方は、一度専門医を受診することをお勧めします。早期発見・早期治療によって、倦怠感が劇的に改善するケースも多く見られます。
人間の体には体内時計があり、これが正常に働くことで夜になると自然に眠くなり、朝になると目が覚めるようになっています。しかし夜更かしや不規則な生活、シフト勤務などによって睡眠リズムが乱れると、この体内時計が狂ってしまいます。すると、夜に寝たい時間に眠れない、朝起きたい時間に起きられないという状態になり、結果として睡眠の質が低下して倦怠感につながります。
特に休日に寝だめをする習慣がある方は要注意です。平日に睡眠不足を我慢して、週末に遅くまで寝ることで帳尻を合わせようとすると、かえって体内時計が乱れて、月曜日からの倦怠感がひどくなってしまうことがあります。睡眠リズムを整えるには、できるだけ毎日同じ時間に寝起きすることが理想的です。
ここからは、実際に睡眠の質を高めて倦怠感を改善するための具体的な方法をご紹介していきます。すべてを一度に実践する必要はありませんので、できることから少しずつ取り入れてみてください。小さな変化の積み重ねが、やがて大きな改善につながっていきます。
質の高い睡眠のためには、寝る前の1時間から2時間の過ごし方がとても重要です。この時間帯は副交感神経を優位にして、体をリラックスモードに切り替える準備期間と考えてください。まず、スマホやパソコンの使用は寝る1時間前には終わらせましょう。画面から出るブルーライトは脳を覚醒させ、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌を妨げてしまいます。
代わりにお勧めしたいのが、軽いストレッチや深呼吸です。体をゆっくりと伸ばすことで筋肉の緊張がほぐれ、深呼吸によって副交感神経が優位になります。また、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるのも効果的です。体温が上がった後に下がるタイミングで眠気が訪れるため、寝る1時間から2時間前の入浴が理想的です。
睡眠の質を左右する要素として、寝室の環境も見逃せません。室温は夏で26度前後、冬で18度前後が理想的とされています。暑すぎても寒すぎても深い睡眠が妨げられるため、エアコンや寝具で調整してください。また、寝室はできるだけ暗くすることが大切です。わずかな光でもメラトニンの分泌が抑制されてしまうため、遮光カーテンを使ったり、電子機器のLEDを消したりすることをお勧めします。
寝具の選び方も重要です。特に枕の高さが合っていないと、首や肩に負担がかかり、眠りが浅くなってしまいます。仰向けに寝た時に首のカーブが自然に保たれる高さの枕を選びましょう。当院でも姿勢分析の結果から、その方に合った寝具のアドバイスをしています。
毎日同じ時間に起きることは、睡眠の質を高める最も基本的で効果的な方法です。たとえ前日の就寝時刻が遅くなってしまっても、翌朝は普段と同じ時間に起きるようにしてください。そして起きたらすぐにカーテンを開けて朝日を浴びることで、体内時計がリセットされます。この習慣を続けることで、次第に夜の寝つきも良くなり、睡眠リズムが整っていきます。
また、適度な運動も睡眠の質を高めるのに役立ちます。ただし激しい運動は交感神経を刺激してしまうため、夕方までに済ませることがポイントです。夜にどうしても体を動かしたい場合は、ヨガや軽いストレッチなど、リラックス効果のある運動を選びましょう。
寝る直前の食事は消化活動によって睡眠が浅くなるため、夕食は就寝の3時間前までに済ませるのが理想です。どうしても遅い時間になってしまう場合は、消化の良いものを少量だけにしてください。また、カフェインは摂取後4時間から6時間は体内に残るため、午後3時以降はコーヒーや紅茶を控えることをお勧めします。
逆に睡眠の質を高める食品もあります。トリプトファンというアミノ酸を含む食品は、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料になります。バナナや牛乳、大豆製品などに多く含まれているので、夕食や就寝前の軽食に取り入れてみてください。
ここまで睡眠の質を高める方法をお伝えしてきましたが、正直に申し上げると、生活習慣を見直しただけでは改善しない倦怠感も存在します。寝ても取れない倦怠感が続く場合は、関節の歪みや脳が疲労している可能性が高いのです。当院に来られる患者さんの中にも、睡眠時間も十分で生活リズムも整えているのに、慢性的な倦怠感が続いているという方が多くいらっしゃいます。
実は体の歪み、特に骨盤や背骨の歪みは、睡眠の質に大きな影響を与えます。関節が歪んでいると、寝ている間も無意識に体が緊張してしまい、深い睡眠に入ることができません。また、歪みがあることで一部の筋肉に過度な負担がかかり、寝返りを打つたびに目が覚めてしまうこともあります。朝起きた時に首や肩、腰が痛いという方は、関節の歪みが睡眠を妨げている可能性があります。
当院では姿勢分析と関節可動域の検査を行い、どこにどのような歪みがあるのかを詳しく調べます。そして関節の動きを整え、神経の流れを正常にする施術を行うことで、体が本来持っている回復力を引き出していきます。関節の歪みを整えることで、睡眠の質が劇的に改善し、倦怠感が解消されるケースは本当に多いのです。
もう一つ見逃せないのが、脳の疲労です。現代人は情報過多の環境にさらされ、スマホやパソコンを使う時間も長く、脳が常に働き続けている状態です。脳が疲労すると、自律神経の司令塔である視床下部の働きが低下し、睡眠と覚醒のリズムがうまく切り替わらなくなります。その結果、十分な睡眠時間を取っているのに脳が休まらず、朝起きても倦怠感が残ってしまうのです。
脳疲労の特徴は、体は疲れていないのに頭がぼんやりする、集中力が続かない、些細なことでイライラする、といった症状です。このような状態が続いている方は、睡眠の質を高めるだけでなく、脳の疲労を取り除くアプローチが必要になります。当院では神経検査を通じて脳の疲労状態も評価し、脳と体の両方からアプローチする施術を提供しています。
私が25年以上の臨床経験で学んだのは、倦怠感の原因は本当に一人ひとり異なるということです。睡眠の問題だけでなく、姿勢の歪み、筋肉の緊張、内臓の疲労、精神的なストレス、そして脳の疲労など、複数の要因が複雑に絡み合っていることが多いのです。だからこそ当院では、姿勢分析から神経検査まで、5種類の独自検査を行って根本原因を特定することにこだわっています。
例えば、関節の歪みが自律神経の乱れを引き起こし、それが睡眠の質を低下させ、結果として脳疲労を悪化させる、というように、すべてが連鎖しているケースもあります。こうした複雑な状態を改善するには、表面的な対症療法ではなく、体全体のバランスを整える根本的なアプローチが必要なのです。
倦怠感と睡眠には深い関係があり、単に時間を確保するだけでなく、睡眠の質を高めることが何より重要です。睡眠の深さ、自律神経のバランス、睡眠リズムなど、様々な要因が睡眠の質に影響を与えています。就寝前のルーティンを整え、睡眠環境を見直し、生活リズムを整えることで、多くの場合は睡眠の質が改善され、倦怠感も軽減していきます。
ただし、これらの対策を試しても倦怠感が続く場合は、関節の歪みや脳の疲労といった、セルフケアでは対処できない原因が隠れている可能性があります。寝ている間も体が十分に回復できていない、朝起きても疲れが残っている、そんな状態が続いているなら、体からのSOSサインかもしれません。
私は「やりたいことを我慢しないで生きられる体」を取り戻すお手伝いをすることが使命だと考えています。寝ても疲れが取れない、倦怠感が続いて困っている、そんな方はいつでも気軽にご相談ください。丁寧な検査であなたの体が本当に必要としているケアを見つけ、一緒に改善への道を歩んでいきましょう。倦怠感のない、すっきりとした毎日を取り戻すために、私たちがサポートいたします。

