
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
堺市北区で中林整骨院を開院している中林です。最近、患者さんから「この治療法に医学的な根拠はあるのでしょうか」という質問をいただくことが増えてきました。特に理系のお仕事をされている方や医療従事者の方から、科学的なエビデンスについて聞かれることが多いです。
むちうちになったとき、どの治療法を選ぶべきか迷いますよね。整形外科で薬を処方されても本当に治るのか、整骨院の施術に科学的な裏付けはあるのか、そんな疑問を持つのは当然のことです。納得して治療を受けたいという気持ちは、むしろ治療への前向きな姿勢だと私は考えています。


今日は25年以上の臨床経験を持つ立場から、治療における医学的な背景についてお話しさせていただきます。科学的な視点を持ちながらも、実際の臨床現場で何が起きているのかを、分かりやすくお伝えできればと思います。


エビデンスを求める姿勢は治療において大切なことです。一緒に考えていきましょう
私の治療院にも、整形外科で数ヶ月通院しているのに改善が見られず、このまま続けていいのか不安になって来られる方がいます。あるいは整骨院に通っているけれど、本当にこの施術に科学的な裏付けがあるのか疑問を感じている方もいらっしゃいます。
医療の世界では「エビデンスベースドメディシン」という考え方が広まっています。これは科学的な証拠に基づいて治療を選択しようという考え方です。ランダム化比較試験やメタアナリシスといった研究手法で効果が証明された治療法を優先するという姿勢ですね。この考え方自体は、患者さんにとって有益なものだと思います。
ただ現実の臨床現場では、研究論文で証明されていることと、目の前の患者さんの体に起きていることの間に、時としてギャップがあることも事実です。人間の体は複雑で、同じ診断名でも一人ひとり症状の出方や原因が違うからです。
整形外科では画像診断と診察に基づいて診断が下され、薬物療法や物理療法が行われます。消炎鎮痛剤や筋弛緩剤の処方は、痛みのメカニズムに対する医学的な理解に基づいています。炎症を抑える、筋肉の過緊張を和らげるという目的は明確です。
画像検査では骨の異常を確認できますが、筋肉や靭帯、神経の微細な損傷は映りにくいという限界もあります。だからこそレントゲンで異常がないと言われても痛みが続くというケースが起きるわけです。これは検査や医師の能力の問題ではなく、現在の医療技術の限界なのです。
電気治療や温熱療法といった物理療法も、血流改善や筋緊張の緩和という生理学的な根拠に基づいています。ただこれらの治療法の効果には個人差があり、すべての人に同じように効くわけではないことも研究で示されています。
痛み止めは症状を緩和するための対症療法です。痛みのシグナルを脳に伝えにくくすることで、日常生活を送りやすくするという役割があります。根本的な組織の修復を促進するわけではありませんが、痛みによる二次的な筋緊張を防ぐという意味では重要です。
長期服用による副作用のリスクもありますので、医師の指示に従って適切に使用することが大切です。薬だけに頼るのではなく、他の治療法と組み合わせることで、より良い結果が得られることが多いと感じています。
柔道整復師は国家資格であり、解剖学や生理学、運動学といった医学的な基礎を学んでいます。ただ整形外科医とは異なり、画像診断や薬の処方はできません。その代わりに手技療法を用いて、関節や筋肉の機能を改善していくことが私たちの役割です。
手技療法の効果についても、近年では研究が進んできています。関節の可動域改善や筋緊張の緩和、神経の働きへの影響などが報告されています。ただし整形外科での治療と比べると、大規模な臨床試験の数は少ないのが現状です。
私自身は検査を重視しています。姿勢分析や関節可動域の測定、神経学的な検査を組み合わせることで、どこに問題があるのかを特定します。そして一人ひとりの状態に合わせて施術内容を調整していきます。
関節の動きを整えることで、神経の流れが改善され、筋肉の緊張が和らぐというメカニズムがあります。また適切な刺激を加えることで、体が持っている自然治癒力を引き出すことができます。これは長年の臨床経験から実感していることです。
ただし急性期に強い刺激を加えることは逆効果です。炎症が強い時期には安静が必要ですし、回復期には徐々に動かしていくことが大切です。このタイミングの見極めには、経験と知識の両方が必要になります。
海外の研究では、早期から適度な運動を取り入れることの重要性が指摘されています。完全な安静よりも、痛みのない範囲で日常生活を続けることが、回復を早めるという報告があります。
また心理的な要因も回復に影響することが分かってきました。痛みへの恐怖や不安が強いと、筋肉の緊張が続き、症状が長引きやすいのです。体だけでなく心のケアも含めた包括的なアプローチが推奨されています。
日本の医療現場でも、こうした考え方が少しずつ取り入れられるようになってきました。ただし実際の治療では、まだ薬物療法や物理療法が中心となっているのが現状です。
私は整形外科での治療を否定しているわけではありません。むしろ診断や画像検査は整形外科で受けるべきだと考えています。骨折や重大な神経損傷がないかを確認することは絶対に必要です。
その上で、画像検査では分からない筋肉や関節の機能的な問題に対して、手技療法でアプローチしていくのが整骨院の役割だと考えています。両者は対立するものではなく、補完し合う関係にあるのです。
当院では初回に時間をかけて検査を行います。姿勢分析では体のバランスを数値化し、関節可動域検査では動きの制限がどこにあるかを確認します。神経学的な検査で反射や感覚に異常がないかもチェックします。
検査結果に基づいて、一人ひとりに合わせた施術計画を立てます。急性期なのか回復期なのか、どの組織に問題があるのかによって、施術内容は変わってきます。マニュアル通りの施術ではなく、その時々の状態に応じて調整していくのです。
施術後の変化も数値で確認します。姿勢や可動域がどう変わったか、症状はどの程度改善したかを記録し、次回の施術に活かしていきます。この積み重ねが、着実な改善につながっていくと考えています。
科学的な研究は集団としての平均的な効果を示すものです。一方で臨床現場では、目の前の患者さん一人ひとりに最適な治療を提供する必要があります。この二つを両立させることが、私たち治療家に求められていることだと思います。
論文で効果が証明されていても、その人の体質や生活環境によっては合わないこともあります。逆に科学的な証拠が十分でなくても、臨床的に効果が認められている方法もあります。大切なのは患者さんの体が実際にどう反応しているかを見極めることです。
私は常に勉強を続けています。最新の研究論文にも目を通しますし、セミナーにも参加します。ただそれ以上に大切にしているのは、25年以上の臨床経験で積み重ねてきた観察眼です。教科書通りにいかない症例から学ぶことも多いのです。
医学的根拠は大切ですが、それだけで治療法を選ぶのも難しい面があります。通いやすさや治療者との相性、経済的な負担なども考慮すべき要素です。何より自分が納得して治療を受けられるかどうかが重要だと思います。
疑問に思うことがあれば、遠慮なく質問してください。なぜこの治療をするのか、どういう根拠があるのか、どのくらいの期間が必要なのか。こうしたことを説明するのは治療者の責任です。納得できない治療を我慢して受け続ける必要はありません。
セカンドオピニオンを求めることも選択肢の一つです。複数の専門家の意見を聞くことで、より良い判断ができることもあります。私自身も、必要に応じて医療機関への受診を勧めることがあります。
治療の医学的根拠について疑問を持つことは、決して悪いことではありません。むしろ自分の体と真剣に向き合っている証拠だと思います。ただ情報が多すぎて、何が正しいのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
当院では科学的な視点と臨床経験の両方を大切にしながら、一人ひとりに向き合った施術を心がけています。検査結果を丁寧に説明し、なぜこの施術が必要なのかをお伝えします。疑問があれば何度でもお答えしますので、遠慮なくお聞きください。
医学的な根拠を求める姿勢は素晴らしいことです。その上で、あなたの体に何が起きているのか、どうすれば改善できるのかを一緒に考えていきましょう。一人で悩まず、まずは相談してみてください。きっとお役に立てると思います。

