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患者さんから「温めたほうがいいのですか?それとも冷やしたほうがいいのですか?」という質問をよくいただきます。
この質問に当院の考えを説明したいと思います。
実はこの温めたほうがいいのか、冷やしたほうがいいのかを悩む原因の1つに、受ける説明がごっちゃになってしまっているというのがあります。
そもそもなぜ温める・冷やすでごっちゃになってしまうかというと、「血流が悪いから血流を良くしなければいけない」ということからこの議論は起こっています。
温めると血流はよくなる、冷やすと悪くなる。間違いではありませんが正確ではありません。
なぜなら、その人によって症状が違うからです。
単純に冷えているから血流が悪いという方と、痛みが強くて患部が腫れているという方とでは対応が違うのは当たり前です。この問題をごっちゃにしてしまっているためややこしくなってしまっているのです。
まず当院が考える温めるということは、【保温】であって【加熱】ではありません。
お風呂のように短時間の加熱であればあまり問題ありませんが、やはり長時間加熱すると身体に負担をかけることになってしまいます。
なぜならタンパク質は熱に非常に弱く、42度を超えると熱変性(タンパク凝固)といって壊れていきます。42度を超えた状態というのは、とても危険な状態なんです。
だから当院で説明している温めるとは、熱を加えることではなく、熱が逃げないように保温することです。
もちろん、痛みがないときに温泉に入るとか、寒い日に足元を湯たんぽで温めるというのは問題ありません。お風呂は痛みのない状態で長時間入らないこと、寒いときは末梢を温めること。ここさえポイントで押さえておけば大丈夫です。
そして当院が考える【冷やす】とは、局所の冷却(氷水)であって、広範囲の冷えではありません。
この説明をすると、「いや、お医者さんでは血流が悪くなるから冷やしたらだめだ」という方がいますが、その通りなんです。
例えば、
・寒い日に薄着で出かける
・水の中に長時間入る
・冷房の部屋に長時間いる
…というようなことは、広範囲の冷えですので、体温低下が起こってきます。したがってこのように身体の広範囲を冷やすことはダメです。
しかし、痛みのある個所や不調を起こしている場合は炎症を起こしているので、その箇所のみ冷却するのは全く問題なく、むしろ症状を鎮静化することにつながります。
体温が低下することもありません。
つまり局所を正しく冷却すれば冷えることも風邪を引くこともありません。ましてや血流が悪くなることもあり得ません。冷却を行うことで一瞬血管は収縮しますが、血液の流れがなくなるわけではありません。むしろ、冷却し終わってから、元の体温に戻る際に血流が旺盛になり回復スピードが上がります。
したがって結論として、
温めるのは保温であって加熱ではない。過熱であれば短時間で行うこと。 そして、冷やすのは局所であって、広範囲ではない。
このポイントを押さえておくことで大丈夫だと思います。
寒い時期では局所であっても冷却するのは辛いかもしれませんが、原理原則を知っておくことで状況に応じて対応することができます。