
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
堺市北区中百舌鳥で中林整骨院・なかもず院を運営している中林です。妊娠が分かってから、毎日の食事について悩まれる方は本当に多いんですよね。つわりで食べられるものが限られたり、何を食べたら赤ちゃんに良いのか不安になったり、逆に避けた方がいい食材があると知って戸惑ったりと、私の治療院に来られる妊婦さんからもよくご相談をいただきます。


今日は妊娠中のケアの一環として、毎日の食事で意識していただきたい栄養素や食材についてお話しさせていただきます。私自身も3人の子どもを授かった経験があり、妻が妊娠中には一緒に食事のことで悩んだ時期もありました。25年以上の臨床経験の中で、産前産後のケアに力を入れてきた立場から、皆さんのお役に立てる情報をお届けできればと思います。


妊娠中の体は赤ちゃんを育てるために大きく変化しています。食事は体づくりの基本ですから、しっかりと意識していきましょう
妊娠中は赤ちゃんの成長と母体の健康を維持するために、普段よりも多くの栄養素が必要になります。特に意識していただきたいのは、葉酸・鉄分・カルシウム・たんぱく質・ビタミン類といった栄養素です。これらは胎児の正常な発育に欠かせないものですし、お母さん自身の体調管理にも深く関わってきます。
葉酸は妊娠初期の赤ちゃんの神経管形成に重要な役割を果たす栄養素として知られています。特に妊娠を計画している段階から、通常の食事に加えてサプリメントなどで1日400マイクログラムの摂取が推奨されているんです。食材としては、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜、ブロッコリー、アスパラガス、納豆などの大豆製品に多く含まれています。毎日のお味噌汁に青菜を入れたり、納豆を朝食に取り入れたりするだけでも違ってきますよ。
妊娠中は血液量が増加するため、鉄分不足による貧血が起こりやすくなります。特に妊娠中期から後期にかけては、通常時よりも1日あたり9.5ミリグラム多く摂取する必要があるとされています。鉄分には動物性のヘム鉄と植物性の非ヘム鉄があって、動物性の方が吸収率が高いという特徴があります。レバーや赤身の肉、あさりなどの貝類、カツオやマグロといった魚類から摂取できますし、植物性ではほうれん草や小松菜、納豆や高野豆腐なども良い供給源です。
ここで大切なのは、鉄分の吸収には他の栄養素との組み合わせが重要だということです。ビタミンCを一緒に摂ると吸収率が上がりますので、食後に果物を食べるのもおすすめです。また、妊婦健診で貧血と診断されて鉄剤を処方されることもあると思いますが、検査上で貧血と診断されたからといって鉄剤をいくら服用してもたんぱく質が足りていなければ体に吸収されません。鉄はたんぱく質と結びついてヘモグロビンを作りますから、肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質もしっかり摂ることが貧血改善の鍵なんです。
赤ちゃんの骨や歯を作るために、カルシウムも十分に摂っていただきたい栄養素です。妊娠中は体内でのカルシウム吸収率が上がるものの、普段から不足しやすい栄養素でもあります。1日650ミリグラムの摂取が推奨されていますので、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚、海藻類、小松菜などの緑黄色野菜を意識して取り入れましょう。ビタミンDと一緒に摂ると吸収が良くなりますから、キノコ類や鮭、サバなどと組み合わせるのも効果的です。
赤ちゃんの体を作る材料となるたんぱく質も、妊娠中期以降は特に意識して摂取していただきたい栄養素です。先ほどお話しした鉄分の吸収にも欠かせませんし、赤ちゃんの筋肉や臓器、皮膚などあらゆる組織の形成に必要な基本の栄養素なんですね。肉類や魚類、卵、大豆製品などから良質なたんぱく質を摂ることができます。揚げ物ばかりになると脂質の摂りすぎにつながりますので、蒸したり焼いたりといった調理法でバランスを取りながら、毎食1品は主菜として取り入れるようにしてください。
次に、妊娠中には注意が必要な食材についてもお話ししておきますね。これは赤ちゃんへの影響や、母体の健康リスクを考慮してのことです。完全に食べてはいけないというわけではないものもありますが、量や頻度を意識していただくことが大切になってきます。
生肉や生魚、生卵など加熱が不十分な食材には、リステリア菌やトキソプラズマといった細菌や寄生虫のリスクがあります。妊娠中は免疫力が低下しているため、普段は問題にならない菌でも感染しやすくなるんです。特にナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモンなどは注意が必要で、できるだけ加熱したものを選んでいただきたいですね。お刺身が好きな方には辛い期間かもしれませんが、赤ちゃんのためと思って控えめにしていただければと思います。
マグロやキンメダイなど、一部の大型魚には水銀が蓄積されている可能性があります。妊娠中に過剰摂取すると胎児の神経発達に影響を与える恐れがあるため、週に1回程度までにとどめるのが安全です。小魚やサケ、タイなどは比較的水銀含有量が少ないとされていますので、魚を食べる際はこうした種類を選ぶと安心ですよ。
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるカフェインは、過剰摂取すると胎児の発育に影響する可能性が指摘されています。1日200ミリグラム程度までなら問題ないとされていますが、コーヒーなら1日1〜2杯程度に抑えておくのが無難です。カフェインレスのコーヒーや麦茶、ルイボスティーなどに切り替えるのもいいですね。実は緑茶や紅茶に含まれるタンニンという成分は、鉄分の吸収を妨げる作用もあります。貧血気味の方は特に、食事と時間をずらして飲むようにするといいでしょう。
妊娠中のアルコール摂取は、胎児性アルコール症候群などのリスクがあるため、完全に控えていただくことが推奨されています。少量なら大丈夫という考え方もありますが、安全な量は明確には分かっていませんので、妊娠が分かったらお酒は飲まないという選択が最も安全です。
妊娠中はむくみや妊娠高血圧症候群のリスクがあるため、塩分の摂りすぎには注意が必要です。即席麺やスナック菓子、ハムやソーセージといった加工食品は塩分が高いものが多いので、できるだけ控えめにしてください。外食やコンビニ食が続くと塩分過多になりやすいので、手作りの食事を心がけることも大切ですよ。
ここまで様々な栄養素や食材についてお話ししてきましたが、結局のところ一番大切なのはバランスの良い食事を3食しっかり摂ることです。主食・主菜・副菜を揃えた食事を基本として、牛乳や果物も適量取り入れていく。これが食事バランスガイドで推奨されている理想的な食生活なんですね。
特に強調しておきたいのは、単一の栄養素だけを意識するのではなく、栄養素同士の相乗効果を考えた食べ方が大切だということです。鉄分を摂る時にはたんぱく質やビタミンCも一緒に、カルシウムを摂る時にはビタミンDも一緒にといった具合に、組み合わせを意識することで体への吸収率が格段に上がります。これは私が治療院で患者さんにお伝えしている体のケアの考え方とも共通していて、一つの症状だけを見るのではなく全体のバランスを整えることが根本的な改善につながるんです。
つわりがひどい時期は無理をせず、食べられるものを食べられる時に摂取するという考え方でも大丈夫です。この時期は栄養バランスよりも、まず何か口にできることを優先してください。冷たいものやさっぱりしたもの、炭酸水などが食べやすい方も多いですよね。つわりが落ち着いてきたら、少しずつバランスを意識していきましょう。
私の治療院に来られる妊婦さんの中にも、食事の悩みを抱えている方がたくさんいらっしゃいます。体の不調だけでなく、こうした生活面での不安も含めてサポートさせていただいていますよ。
妊娠中は食事だけでなく、体の変化による腰痛や肩こり、むくみなどのマイナートラブルも起こりやすい時期です。当院では産前産後のケアに力を入れており、妊娠中の体の不調に対する施術も行っています。食事で栄養をしっかり摂りながら、体のケアも並行して行うことで、より快適なマタニティライフを送っていただけるはずです。
根本的な原因を見つけて取り除くという当院の施術方針は、妊婦さんの体調管理にも当てはまります。単に痛みを和らげるだけでなく、なぜその痛みが出ているのか、どうすれば改善できるのかを一緒に考えていくスタイルです。一人で悩まず、気になることがあればいつでもご相談くださいね。妊娠という大切な時期を、少しでも楽に、そして健やかに過ごしていただけるよう、全力でサポートさせていただきます。

