
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
突然ですが、今この記事を読んでいるあなた、もしかして痛みをこらえながらスマートフォンを握っていませんか。堺市北区なかもずで整骨院を営んでいる中林です。「妊娠してから骨盤まわりが痛くて、朝まともに歩けなくなってしまった」という方からのご相談が、当院には毎月多く届きます。
まず安心してください。妊娠中に骨盤の痛みがひどくなって歩けなくなるほどの症状は、赤ちゃんへの直接的な影響はありません。ただ、「妊娠中だから仕方ない」と我慢し続けることが、産後のトラブルを引き起こすケースもあります。今回は痛みの正体と、今日からできる対処法をお伝えします。


「どこに相談すればいいのか」という迷いも含めて、一緒に考えていきましょう。


「骨盤が痛くて動けない」状態でこの記事を読んでいる方は、まず応急処置のセクションだけでも確認してください。原因の説明より先に「今すぐ楽になれる方法」をお伝えします。読み終わったら、ひとりで抱え込まずにいつでもご連絡ください
妊娠中に骨盤の周辺に痛みが出るのは、体の構造的な変化によるものです。「体が弱いから」「運動不足だから」という問題ではありません。妊娠という特別な状態が骨盤にかかる負担を大幅に増やしているのです。まずこの仕組みを理解しておくと、対処法の意味がより深く腑に落ちます。痛みが起きる根本的な理由を知ることが、正しいケアへの第一歩です。
妊娠中に体内で大量に分泌される「リラキシン」というホルモンが、骨盤まわりの靭帯を意図的にゆるめます。これは赤ちゃんが産道を通れるように骨盤を広げるための必要な準備です。ところが靭帯がゆるむと骨盤が不安定になり、まわりの筋肉が過剰に緊張して骨盤を支えようとします。
この「骨盤の不安定化→まわりの筋肉の過緊張→痛み」という連鎖こそが、妊娠中に骨盤まわりが痛くなる根本的な仕組みです。リラキシンの分泌は妊娠初期から始まり、産後もしばらく続くため、早めに対処しておくことが重要です。
妊娠中期以降はお腹が大きくなるにつれて体の重心が前方へ移動します。バランスをとろうとして腰を反らせる姿勢が定着すると、骨盤が前方へ傾いた「骨盤前傾」状態になります。この状態が続くと骨盤底への圧力が増し、恥骨や仙腸関節への負担が一気に大きくなります。
特に立ち仕事・デスクワーク・上の子の抱っこが多い経産婦さんはこの骨盤前傾が悪化しやすく、妊娠中の腰痛と骨盤まわりの痛みが同時に出やすい傾向があります。
骨盤まわりの痛みといっても、どこに・どんな感じで痛みが出るかによって原因となっている症状の種類が異なります。自分の痛みのタイプを把握することで、適切な対処につながります。「なんとなく骨盤あたりが痛い」ではなく、「どこが・どんなふうに痛いか」を意識して確認してみてください。それだけで対処の方向性がぐっと明確になります。
股の前・恥骨のあたりにズキズキとした痛みが出る場合、恥骨結合(左右の恥骨をつなぐ軟骨)がリラキシンの影響でゆるみすぎていることが原因です。歩くたびに痛みが走る、脚を開く動作が辛い、階段の昇降が難しいという症状が特徴です。妊娠後期(28週以降)に多く見られますが、中期から出る方もいます。「朝の最初の一歩が踏み出せない」という方の多くはこのタイプです。
お尻の奥・太ももの裏・ふくらはぎにかけてズーンとした鈍い痛みや電気が走るようなしびれが出る場合、骨盤の歪みによって坐骨神経が圧迫されている可能性があります。長時間立っていられない、同じ姿勢で痛みが増す、片方だけに症状が出るという特徴があります。
仙骨と腸骨のつなぎ目あたり(お尻の片側)に集中した痛みが出る場合、仙腸関節の不安定化が原因です。片足立ち・靴下を履く動作・寝返りを打つときなど、骨盤の片側に体重がかかる場面で強く痛みが出ます。左右のどちらか一方だけに症状が出るのが特徴です。
痛みが強い状態で長い説明を読み続けるのは辛いと思いますので、すぐに実践できる対処法をまとめます。出血がある・お腹の張りが強いという場合は、まず産婦人科に連絡してください。それ以外の骨盤まわりの痛みには、以下のアプローチが有効です。いずれも今日から試せるものばかりですので、できるものから始めてみてください。
横向きで寝るときに膝の間にクッションや折りたたんだバスタオルを挟むと、骨盤への負荷が分散されて痛みが和らぎやすくなります。枕の高さも骨盤のバランスに影響するため、首と肩のラインがまっすぐになる高さのものを選ぶのが理想です。
仰向けからいきなり上体を起こすと骨盤に大きな負荷がかかります。必ず横向きになってから脚をベッドの端に下ろし、腕で体を支えながらゆっくり起き上がる方法を習慣にしてください。この起き上がり方だけで朝の恥骨痛が大幅に軽減する方も多いです。
大股歩きは骨盤への衝撃を大きくします。痛みが出ているときは歩幅を小さく絞り、重心が左右に揺れないようにゆっくり歩くことが骨盤への負担を減らすポイントです。急いで歩こうとするほど痛みが悪化しますので、時間に余裕を持って行動することも大切です。
骨盤ベルトを使っている方は巻く位置を確認してみてください。正しい位置は「腸骨(お尻の横の骨の出っ張り)の下」です。お腹を締めるのではなく骨盤の底部を水平にサポートするのが正しい使い方です。骨盤ベルトはあくまでも外側からの補助であり、骨盤のバランスそのものを整える力はありませんが、痛みの強い時期の日常生活のサポートとして有効です。
応急処置や日常の工夫は痛みを和らげるために有効ですが、骨盤の歪みや関節の動きそのものを整えることはセルフケアだけでは限界があります。「毎日ベルトをしているのに一向に楽にならない」「週数が進むにつれてどんどん悪化している」という方は、すでにセルフケアで対処できる範囲を超えている可能性があります。
根本的な改善のためには、骨盤の正確な検査とそれに基づいた専門的な施術が必要です。恥骨痛・坐骨神経痛・仙腸関節痛はそれぞれで原因と対処法が異なるため、まず「何が起きているか」を正確に把握することが最優先です。
当院では妊婦さんへの施術はすべて横向きまたは仰向けで行います。うつ伏せは一切ありませんし、強い力も使いません。院長である私が検査から施術まで一人で担当するため、毎回同じ目線で体の変化を確認しながら進めることができます。「先週より少し楽になった」「この動作のときに痛みが出る」という細かい変化を毎回拾い上げながら対応できるのが、当院の強みです。
また、施術だけでなく自宅でのセルフケアもあわせてお伝えしています。妊娠中の骨盤ケアストレッチの記事でも紹介していますが、院でのケアと自宅でのセルフケアを組み合わせることで、改善のスピードが上がりやすくなります。逆子が気になる方は、逆子への整体効果のページも参考にしてみてください。
「産んだら自然に治るだろう」という声をよく聞きます。確かに産後に骨盤が戻っていく過程はあります。しかし、妊娠中に大きく崩れた骨盤のバランスが産後に自然に元通りになるとは限りません。産後の体型が戻らない・腰痛が長引く・尿漏れが続くといった産後トラブルの多くは、妊娠中に蓄積されたまま放置された骨盤の歪みが、産後もそのまま持ち越されることで引き起こされています。
今の痛みを解消することは、産後の自分を楽にするための先行投資でもあります。妊娠期間中からしっかりケアしておくことが、産後の育児をより元気に乗り越えるための体づくりにもつながります。
私がこの仕事を始めたのは、自分自身が体の不調で長く苦しんだ経験があるからです。小学校1年生のときに交通事故で足を骨折し、手術と約2ヶ月の入院・4ヶ月のリハビリを経験しました。「痛くて思うように動けない」「いつになったら普通に動けるようになるんだろう」という焦りと消耗感は、身をもって知っています。
だからこそ、「仕方ない」と諦める前に、できることを一緒に考えたいと思っています。上の子の世話がある方、夫が忙しくてひとりで抱えている方、「大げさかな」と受診をためらっている方、そういう方こそ一人で頑張りすぎないでください。
「妊婦でも受けられるの?」という確認だけでも大歓迎です。骨盤の痛みで歩くのが辛くなっている方、どうかひとりで我慢し続けないでください。25年以上・10万人以上の施術経験の中で積み上げてきたことを、あなたと赤ちゃんのために使わせてください。いつでもご連絡をお待ちしています。

