
院長:中林お気軽にご相談ください!

院長:中林お気軽にご相談ください!
帝王切開を終えて、「この痛みはいつになったら楽になるんだろう」とスマホを手にしているあなたへ、今日はそのモヤモヤを少しでも解消できるようにお話ししたいと思います。起き上がるのも一苦労、赤ちゃんを抱っこするのも痛くて、「私だけこんなに長く痛みが続いているの?」と不安になるのは当然のことです。
私は堺市北区中百舌鳥で中林整骨院を営んでおり、産後の骨盤矯正をはじめ、帝王切開後のケアに長く携わってきました。今回は、術後の傷の痛みが続く理由と回復の目安、そして痛みが引いた後に体に何が起きているのかについて、25年以上の臨床経験をもとに詳しくお伝えしていきますね。




帝王切開はお腹の皮膚から子宮まで複数の層を切開する立派な手術です。回復に時間がかかるのは当たり前のことなので、焦らず自分のペースで進めていきましょう
帝王切開の術後に感じる痛みは、単に「傷口が痛い」というだけではありません。皮膚・脂肪・筋肉・腹膜・子宮と、複数の層にわたって切開されているため、それぞれの組織が回復するまでに時間がかかります。「思ったより長く痛みが続いた」とおっしゃるママさんが多いのは、この体の構造的な理由があるからなんですよ。
もうひとつ、産後のつらさを倍増させるのが後陣痛です。産後しばらくの間、子宮が元の大きさに戻ろうと収縮するときに起こる痛みで、特に授乳中に強く感じやすい特徴があります。傷口の痛みと後陣痛が重なる術後2〜3日は、多くの方にとって最もつらい時期といえますね。
痛みの経過は個人差がありますが、「今の状態は正常なのか」という不安を和らげるためにも、だいたいの流れを知っておくと安心です。以下の表を参考にしてみてください。
| 時期 | 痛みの状態のめやす |
|---|---|
| 術後2〜3日 | 痛みのピーク。麻酔が切れ、傷口の痛みと後陣痛が重なる最もつらい時期 |
| 術後4日〜1週間 | 少しずつ動けるようになるが、急な動作や咳で鋭い痛みが走ることがある |
| 退院後〜1ヶ月 | 日常生活での痛みは軽減するが、疲れると夕方ごろ傷口がズキズキすることも |
| 1〜3ヶ月 | 痛みはかなり落ち着くが、天候の変化や疲労で違和感が出ることがある |
1ヶ月健診を終えても、傷口周辺にしびれやひっぱられる感じが残ることがあります。これは、傷の癒着や周囲の筋膜が硬くなることで起こりやすく、季節の変わり目や体が疲れているときに感じやすい傾向があります。
傷が「閉じた」ことと「完全に治った」ことは全く別のことです。表面がくっついていても、内側の組織の修復にはまだ時間がかかっているケースも多いんですね。焦って無理な動きを続けると回復が遅れることもあるので、体の声にしっかり耳を傾けてあげてください。
退院後は赤ちゃんのお世話が続き、「安静にしていたくても動かざるを得ない」という状況になりがちですよね。そのなかでも、ちょっとした動作の工夫で傷口への負担をグッと減らすことができます。毎日の積み重ねが回復の速さに大きく関わってくるので、ぜひ意識してみてください。
ベッドから起き上がるときは、いきなり上体を起こさず、まず横向きになってから手で体を支えてゆっくり起き上がるのが基本です。腹筋を一気に使う動きは傷口に大きな負担がかかります。
赤ちゃんを抱っこする際は、授乳クッションを使って赤ちゃんの位置を高くすることで傷口に体重が当たりにくくなります。オムツ替えも床よりベッドやソファの上で行うほうが、前かがみになる時間を減らせて傷口に優しいですよ。
傷口を優しく固定することで、動いたときの鋭い痛みをかなり和らげることができます。昔ながらのさらしは締め付けを自分で調整しやすく、長時間使っても体への負担が少ないのでとくにおすすめです。ただし強く巻きすぎると血流が悪くなるため、深呼吸がきちんとできる程度の強さに留めてください。
「授乳中だから薬は使いたくない」と思っているママさんも多いと思います。ただ、病院で処方される痛み止めは授乳中でも安全に使えるものが選ばれています。痛みを我慢して体が緊張し続けると、かえって回復が遅くなることもあるんですよ。
痛みを我慢することが美徳にはなりません。適切に痛み止めを使いながら体の回復を最優先にしてほしい、というのが私の本音です。
傷口の痛みが落ち着いてくると、今度は別の不調が気になり始めることがよくあります。「傷は治ってきたのに、腰がずっと痛い」「抱っこするたびに股関節がズキッとする」という声は、当院でも本当によくお聞きします。これは決して気のせいではなく、妊娠中から開き続けてきた骨盤が、育児という日々の負荷のなかで歪みを強めているサインなんです。
当院にいらっしゃる帝王切開後のママさんの多くが悩まれているのが産後の腰痛です。朝起き上がるのがつらい、抱っこのたびに腰に激痛が走るという状態が続くと、育児そのものが苦痛になってしまいますよね。また赤ちゃんを抱えて歩く機会が増えるにつれて、産後の股関節の痛みや産後の膝の痛みが出てくることも少なくありません。
帝王切開に限らず、出産後は骨盤底筋が緩みやすいため、咳やくしゃみで尿が漏れてしまうといった産後の尿漏れに悩まれる方もいます。また恥骨周辺に鋭い痛みを感じる産後の恥骨の痛みも、産後1〜2ヶ月頃に多い症状のひとつです。
これらすべての不調に共通するのは、骨盤の歪みが根本にあるという点です。傷の痛みに気を取られているうちに、骨盤の問題は静かに進んでいることがあります。1ヶ月健診を終えた頃こそ、産後の骨盤矯正を始める絶好のタイミングなんですよ。
帝王切開の傷の痛みは、術後2〜3日がピークで、その後は段階を経て落ち着いていきます。1ヶ月健診の頃にはかなり楽になる方がほとんどですが、2〜3ヶ月かけてゆっくり回復していくケースも決して珍しくありません。大切なのは「自分の回復ペースを焦らないこと」です。
経腟分娩のママと比べて自分だけ動けないと感じることがあるかもしれませんが、帝王切開は立派な手術です。傷の深さも、体への負担も、自然分娩とは全く違うものです。そのことを、もっと多くのママさんに知ってほしいと思っています。
臨床経験25年、10万人以上の方を診てきた立場から言わせてもらえれば、産後のママさんの体は本当に一人ひとり違います。傷の痛みであれ、骨盤の歪みであれ、ちょっとした違和感であれ、気になることがあれば一人で悩み続けずにいつでもご相談ください。お母さんの体が元気でいることが、赤ちゃんにとって何よりの幸せです。一緒に元気な体を取り戻していきましょう。

